張 晗 氏
物質・材料研究機構 マテリアル基盤研究センター
先端解析分野 電子顕微鏡グループ
主任研究員
平野 有沙 氏
筑波大学 医学医療系
助教
受賞の対象となった研究主題
概日時計の破綻による概日リズム障害発症メカニズムの解明と、その治療法の開発に資する研究
受賞理由
生物は自律的に時を刻む体内時計(概日時計)により外界環境へ適応しており、睡眠障害や癌、鬱病などの病気と連関している。平野氏は、世界に先駆けて、概日時計において重要な役割を担っている時計タンパク質CRYの分解と安定化のバランスが概日リズムに必要であること、および、もう一つの時計タンパク質のPER3の発現量低下により鬱様行動が上昇することを見出した。また、化合物の概日時計の位相(時刻)応答への影響をハイスループットで解析できる方法を確立した。以上のように、平野氏は、概日リズムの新たなメカニズムを見出し、その破綻が鬱様行動の原因となることを示した。さらに、概日時計の位相(時刻)応答をハイスループットで測定できる解析システムを確立し、時刻調節が可能な新薬の開発が期待できる成果を挙げている。
安藤 敏夫 氏
金沢大学 ナノ生命科学研究所
特任教授 特別功績教授 名誉教授